盛大な拍手、ではない。控えめ、というのでもない。
それはアーチストへの敬意が込められた、誠実で洗練された拍手だった。
神技ともいわれるバロックギターのシャワーを浴びるうちに聴き手の質が
高まったせいかも知れない。
そんな〝神通力〟を感じさせたマルコの演奏だった。
観客の声。
「バッハのシャコンヌ(動画)がものすごい超絶技巧なのにゆっくり弾いているように見えた」
「涙が出て止まらなかった」
「言葉で表わせない。からだが透明になった感じ」
シャコンヌの動画はマルコ自身がFBでシェアしたこともあって国内外からの視聴率が高まり、
再生回数は3000回を軽く超えた。
ゲスト出演の窪田晶子さん(ソプラノ・二期会会員)は
「マルコは本番ではリハーサルの時と違った装飾音を加えてきたりして、
ピアノ伴奏とはまた違ったやり取りができる。
それを楽しむことで歌手の力も伸びると思います」という。
でもなぜマルコを「犀せい」で?
この企画は下記のように点と点が線で繋がった結果だ。
歌手・クミコ →アズールヴェール → ギタリスト樋浦靖晃(マルコの弟子)
→ マルコ・メローニ → 犀せい → 歌手・クミコ
4年前、金沢パリ祭に出演するアズールヴェール(プロフィール)がクミコの紹介で「犀せい」にやってきたのがきっかけだった。
軽々と国境を越えて連関する文化の力に感動するほかはない。