◆年賀状から“年内状”へ
今年も約500人の方々に“年内状”を出した。
年内状? 耳慣れないのは当然で、私の造語である。
師走の慌ただしい時期に、新年になったつもりで書く「予定稿」ではなく、
1年の有難うの気持ちを、その年の内に届ける。
そうしたリアリティーを大事にしたいという気持ちから始めた。
だから、“年内状”
もうかれこれ30年近く続けている。「そのアイデア、いただき」と年内状に
変えた友人も20人を越えた。
年賀状から年内状に切り替えるには、あるキッカケがあった。
そのいきさつは「年賀状のバーチャル感覚」と題して2001年12月31日
付の毎日新聞掲載コラムに書いた。
→(詳細はトップページの「コラム」の項をクリック)
文面はその年に感じたことを書く。少々辛口になることもある。
以下が今年の「年内状」。
お上が今年、29年ぶりに漢字を見直し、欝、彙など難易度の高い
字200余りを追加し、常に用いてもよろしいとする漢字を2000
以上にしたそうです。
私はそれを喜ぶものの1人ですが、本音を言えば「何をいまさら」。
パソコン、携帯など情報機器の辞書機能が充実したのが見直しの
理由だそうです。が、実際は機能の充実とは裏腹に複雑な漢字を
「読めない、書けない」人が増えている。
29年の空白も一因でしょう。
独裁国家じゃあるまいし、もともとあった国民共有財産の漢字を
お上が制限したり解除したりするのがおかしいのだと思います。
振り返れば、「何をいまさら」といいたくなることの多い年でした。
今年もいろいろとお世話になりました。
感謝の気持ちを込めての“年内状”です。
来年が佳き年になりますように…。 2010年師走 村井幸子